「再生医療」で心不全に挑む
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超高齢社会で患者数が急増する心不全

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我が国の循環器疾患の死亡数は、がんに次いで第2位となっており、心不全による5年生存率は50%と予後についても決して良くありません。*1
心不全による死亡は心疾患の内訳の中で最も死亡数が多いです。日本全体における心不全患者の総数(推計)は2005年に約100万人、2020年には120万人に達するとされています。*2*3
また、入院患者さんは年に1万人以上の割合で増加しています。高齢化が進む我が国にとって心不全は大きな問題となっています。
*1 一般社団法人日本循環器学会/一般社団法人日本心不全学会2017年10月発表『心不全の定義』について
*2 急性・慢性心不全診療ガイドライン2017年改訂版
*3 Impending epidemic: future projection of heart failure in Japan to the 2055.Circulation J 2008
心不全の定義
「心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。」
一般社団法人 日本循環器学会 一般社団法人 日本心不全学会
2017年10月31日発表の『心不全の定義』より
心不全についてさらに詳しく
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心不全治療に再生医療の選択肢が登場

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心不全は発症後、適切な治療によって、いったん症状は改善します。しかし、残念ながら、心不全の原因となっている心臓の異常が完全に治ることは少ないです。そのため、心不全そのものが完全に治ることはなく、症状の再発・改善を繰り返しながら徐々に悪化します。

治療としては、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満などの悪化予防のために生活習慣を改善することと運動療法です。その上で適切な薬物療法です。そのほかには、外科手術、ペースメーカー、補助人工心臓(心臓の収縮を整える機械)の装着、心臓移植があります。

これまで、心不全の患者さんが重症化した場合「補助人工心臓の装着、あるいは心臓移植」の二つしかなかった治療に、細胞シートを用いた心筋再生治療「骨格筋由来細胞シート心表面移植術」が登場しました。
心不全の治療についてさらに詳しく
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骨格筋由来細胞シート心表面移植術とは?

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患者さん自身の骨格筋に含まれる細胞を採取して、培養し、シート状に調製して、患者さんの心臓の表面に移植するものです。

治療の対象となる患者さんは、「NYHA心機能分類がⅢまたはⅣ度」と「安静時における左室駆出率が35%以下」の両方に当てはまる虚血性心疾患による重症な心不全の患者さんで、新聞を取りに行くなど簡単な労作、あるいは安静にしていても、息切れ、疲れやすい、むくみ、体重増加といった症状がみられる患者さんが対象です。

この「骨格筋由来細胞シート心表面移植術」は、厳しい条件をクリアした施設のみで行われており、医療機関届出情報(地方厚生局)検索によると、現在、以下の8か所で治療を受けることが可能です。
  • 東京女子医科大学病院
  • 順天堂大学医学部附属順天堂医院
  • 東京医科歯科大学医学部附属病院
  • 東京大学医学部附属病院
  • 新潟大学医歯学総合病院
  • 名古屋大学医学部附属病院
  • 大阪大学医学部附属病院
  • 九州大学病院
また、この再生医療を使った治療は、健康保険を利用することができます。
高額療養費制度の対象になるので、一定額以上の個人負担はありません。
年齢や所得等に応じて異なりますので負担分の詳細は医療機関にご相談ください。

骨格筋由来細胞シート表面移植術の流れ

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骨格筋由来細胞シート表面移植術についてさらに詳しく
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骨格筋由来細胞シート表面移植術は、心臓移植、補助人工心臓といった心不全外科治療に第3の治療として道を開いたといえるでしょう。
(取材:生活向上WEB編集部)
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