【症状】
急性乳腺炎には急性化膿性乳腺炎とうっ滞性乳腺炎の2種類があり、急性化膿性乳腺炎は外科的感染症の中で最も症状が激しく、激しい痛みと高熱を伴って乳房が赤く腫れ上がる。うっ滞性乳腺炎は乳管のどこかで閉塞が起こり、乳汁が排出されず腫瘤が生じる。
慢性乳腺炎は乳輪近辺に腫瘤が生じ、時々破れて膿が出ることを繰り返す。
【原因】
急性乳腺炎のほとんどが授乳中の母親に発症する。
急性化膿性乳腺炎は乳児の乳歯により傷つけられた箇所から乳児の口腔内の細菌が入り込むことに起因する。うっ滞性乳腺炎は乳汁分泌量が乳児の吸引量より多い場合や、乳首の発達が悪く乳汁が分泌されにくい場合に生じる。
一方、慢性乳腺炎は授乳とあまり関係せず、陥没乳頭に原因する。
【対処方法】
急性化膿性乳腺炎は授乳を中断して抗生物質による治療が必要となる。化膿が進み膿瘍を形成した場合には切開・排膿を行う。
うっ滞性乳腺炎には、搾乳や乳房を冷やすなどの対症療法が有効である。
慢性乳腺炎の場合、感染した乳腺を除去する手術を行ったり、陥没乳頭を治すために乳頭形成術を行ったりする場合がある。