春になり、健康診断のシーズンとなりました。
すぐにでも病院にいくべき異常を見つけたり、今後の生活習慣を決めるために必要な健康診断ですが、こう思ったことはありませんか?
「検査報告書の意味がわからない」
と。
そこで今回は、健康診断の数字について説明します。
健康診断報告書の見方
健康診断を受けると、「総合検査報告書」というものが配布されます。
そこには、検査項目と測定値と基準値が書かれています。
50個以上の検査項目があるのですが、これら全てが記入されるわけではありません。
主に使われるところから説明いたします。
コレステロール関係
総コレステロール(TCH)
コレステロールとは、肝臓で生成され細胞の膜を構成したり、胆汁酸や性ホルモンを生成する成分。
総コレステロールの基準値は120~219mg/dlとされています。
この値が高すぎると動脈硬化のリスクが高くなります。
HDLコレステロール(HDL)
HDLコレステロールとは、善玉コレステロールとも呼ばれ、血液中の余分なコレステロールを回収し肝臓に運び戻すコレステロールです。
基準値は40~70m/dlで、基準値より低い場合は「低HDLコレステロール血症」と診断されます。
かといって基準値より高くても総コレステロールも高くなっていると判断されよくないので、基準値内であることが求められます。
LDLコレステロール(LDL)
LDLコレステロールとは、悪玉コレステロールのこと。
悪玉コレステロールが多いと、動脈硬化のリスクが高まります。
「高LDLコレステロール血症」になると虚血性心疾患、脳梗塞、糖尿病などのリスクが高まります。
基準値は70~139mg/dlです。
中性脂肪(T-G)
中性脂肪とはブドウ糖が不足したときそれを補う大事なエネルギー源。
エネルギーとして利用されて、余った部分が内臓脂肪などとして蓄えられます。
基準値は50~149mg/dl。
基準値より高いと動脈硬化のリスクが高まります。
尿酸関係
尿酸(UA)
尿酸とはプリン体が体内で分解されてできる老廃物。
尿酸が血液に溜まりすぎると高尿酸血症となります。
標準値は女性3.0~5.5mg/dl。
男性は4.0~7.0mg/dlです。
高すぎると、痛風のリスクがあります。
尿素窒素(BUN)
尿素窒素とは、たんぱく質が分解されできる老廃物。
本来は尿と一緒に排泄されるのですが、腎機能が低下すると、ろ過できなくなり、血液中の尿素窒素の量が多くなります。
基準値は8~20mg/dl。
クレアチニン(Crea)
筋肉にあるクレアチンという物質からでき、尿と共に排泄されます。
基準値は0.7~1.3mg/dl。
基準値を上回る場合は「慢性腎炎・腎不全」の疑いがあります。
血糖関係
血糖
血糖と書かれているのは、空腹時血糖のこと。
空腹時の血液中に含まれるブドウ糖の量。
基準値は、110mg/dL未満が「正常型」とされます。
110mg/dL~125mg/dLが「境界型」。
126mg/dL以上が「糖尿病型」とされます。
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)とは、ブドウ糖と結びついたヘモグロビン(血色素)で、現時点より過去1〜1.5ヶ月間の平均血糖値を反映します。
HbA1c は、約120日間血液中に存在するため、1~2か月間の血糖の状態を、推測することができます。
基準値は、4.6~6.2%です。
血液関係
白血球数(W,WBC)
白血球は、外部から侵入してきた最近などの異物を撃退する重要な役割です。
基準値は4,000~9,000個/μL。
基準値よりも高いと「感染症、胆のう炎、虫垂炎、膵炎などの炎症性の疾患、心筋梗塞、白血病、がん」などが疑われます。
測定値には「60」など、二桁の数字が記載され、それに100をかけた数字で判断することになります。
赤血球数(RBC)
赤血球とは、血液中の有形成分の大多数を占め、肺で酸素と結びつくヘモグロビンを含み、酸素を体の各部に送る働きがあります。
基準値は、女性が380万~480万個/μL。
男性が、410万~530万個/μLです。
基準値未満だと、貧血の疑いがあります。
検査票には480など、三桁で記載されており、1万をかける必要があります。
血色素量(ヘモグロビン)
血色素(ヘモグロビン)とは、赤血球の中にあり、酸素を運ぶ役割をするたんぱく質のこと。
基準値は、女性が12~16g/dl。
男性が14~18g/dl。
男女とも10g/dl以下になると、「中等症から重症の貧血」と判断されます。
ヘマトクリット
ヘマトクリットとは、一定量の血液中に含まれる赤血球の容積の割合のこと。
基準値は、女性が35~45%。
男性が40~50%。
基準値より低い場合は、貧血の疑いがあります。
MCV、MCH、MCHC
MCVはヘマトクリットを赤血球数で割ったもので、赤血球1個の大きさを表します。
基準値は84~99fl。
MCHはヘモグロビンを赤血球数で割ったもので、1個の赤血球中に含まれるヘモグロビン量のことです。
基準値は26~32pg。
MCHCは1個の赤血球中に含まれるヘモグロビン濃度のこと。
基準値は32~36%。
血小板数
血小板は、血液を凝固させて出血を止める働きがあります。
基準値は15万~40万個/μL。
血小板の数が減ると出血が止まりにくくなります。
Neutro
好中球。
白血球の一種で細菌から生体を守る作用をします。
基準値は40~69%。
BASO
好塩基球。
白血球の一種でアレルギーに関係します。
基準値は0~2%。
Eosino
好酸球。
白血球の一種でアレルギーに関係します。
基準値は0~5%。
Lymph
リンパ球。
白血球の一種で異物から生体を守る作用をします。
基準値は26~46%。