「夜間に何度も尿意を感じて起きてしまう…。」とお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
夜に何度も尿意で起きてしまうと、昼間に眠気を感じたり、仕事に集中できなかったりすることもあります。
今回は、日々の睡眠の問題に直結する夜間の頻尿について解説します。
夜間頻尿とは
夜間頻尿とは、夜に排尿のために起きなければならない症状のことです。
40歳以上の男女の約4,500万人が夜間頻尿であるといわれています。
加齢にともない夜間頻尿の有病率は高まり、日常生活に支障が出てしまうこともあります。
夜間頻尿の原因1~多尿~
夜間頻尿では、夜間の尿量が1日の総尿量の1/3以上になる「多尿」が生じます。
多尿は、水分の摂り過ぎや糖尿病が原因のひとつであるといわれています。
また、高血圧やうっ血性心不全、腎機能障害、睡眠時無呼吸症候群も多尿の原因となることがあります。
夜間頻尿の原因2~膀胱容量の減少~
尿を貯める役割である膀胱容量の減少により、夜間の排尿回数が多くなることがあります。
少量の尿が膀胱に溜まると膀胱が収縮してしまう病気である過活動膀胱や、前立腺炎などが原因で膀胱容量の減少は生じるといわれています。
夜間頻尿の原因3~睡眠障害~
睡眠障害は、眠りが浅く十分な睡眠がとれない状態のことです。
睡眠障害の影響で、夜間に何度も目が覚めてしまうことがあります。
目が覚める度に尿意が気になり、トイレに行ってしまいます。
睡眠障害の原因には、精神的以外にも睡眠時に呼吸が一時的に止まる睡眠時無呼吸症候群や、脚を中心に強いかゆみや痛みが起こるむずむず足症候群などの多くの病気も関連していることがあります。
夜間頻尿のセルフチェック
夜間頻尿の原因は、上記のように様々です。
そのため、夜間頻尿に対する適切な治療や対処を行っていくには、原因を特定することが大切です。
夜間頻尿の原因を特定する一つの方法として、排尿日誌によるセルフチェックがおすすめです。
排尿日誌の方法としては、1日の排尿時刻と排尿量を記録していきます。
排尿量は目盛付きのコップなどを利用すると良いでしょう。
排尿日誌の記録から、膀胱容量と排尿回数を知ることができ、おおむねの原因を推測することができます。
夜間頻尿の対処法
高血圧や心疾患、腎機能障害などの内科的疾患が原因の夜間多尿の場合は、まずは疾患の治療が第一優先です。
病院を受診し、内科的な疾患の治療を行いましょう。
過活動膀胱が原因である場合は、抗コリン薬やβ3作動薬という薬を内服し、過剰に収縮してしまう膀胱の活動を抑えます。
また、就寝前に水分を過剰に摂取してしまう場合は、水分を控えることで夜間頻尿を改善できることもあります。
夜間頻尿についてお困りの際は、近くの泌尿器科を受診しましょう。
夜間に尿意のため何度もトイレに行く夜間頻尿は、日常生活に支障をきたす大きな問題です。
排尿日誌などでセルフチェックを行い、原因を特定することが重要です。