健康食品のCMや通販が、毎日のようにテレビで流れている昨今。
超高齢化社会になっていく世の中、特に健康への不安や、いつまでも若くありたいという希望、こうした中高年の心理を背景にして、健康食品を利用している人は今後も非常に多くなっていくと思われます。
しかし、セサミン、グルコサミン、コンドロイチンなど、様々な健康食品が日々売られていますが、そもそも健康食品とは何かご存知でしょうか?
健康食品とは
「健康食品」と聞くと、健康に良さそうなものと考えている人もいれば、インチキくさいと考える人もいるかもしれません。
そもそも「健康食品」は、健康の保持や増進に効果のあるという趣旨の食品全般のことをさしますが、実は日本では明確な定義や法律がないのです。
そのため、「健康食品」は、法律上の定義はありませんが、一般に「広く健康の保持増進に資する食品として販売・利用されるもの全般」を指すもの、つまり一般食品に含まれるのです。
明確な定義がない中でも、少しでも健康食品を一般食品と差別化する為の制度が既に導入されていますので続いて説明します。
機能性表示とは
薬事法で規制される商品は、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の4種であるため、健康食品は直接薬事法で制限を受けるものではありません。
そのため、当然のことながら効能や効果を表示できますが、食品ではこれを表示できなかったのです。
これに対して厚生労働省は2001年に保健機能食品制度と言う制度を導入し、健康食品の中でも一部を保健機能食品と定め、一定の機能や効果(機能性)を表示できるように定めました。
機能性が表示できるのは保健機能食品しかなく、大きく特定保健用食品と栄養機能食品の2つに分かれます。
特定保健用食品とは
特定保健用食品はトクホと呼ばれるもので、身体の生理学的機能や活動に影響を与える成分を含み、その根拠によって健康の増進などが期待できることを表示できる食品です。
これは個別に国の審査を受けて許可を得る必要があります。
栄養機能食品とは
栄養機能食品は身体の健全な成長・発展・健康の維持に必要なミネラルやビタミンの補給を目的とし、栄養成分の機能を表示できる食品です。
現在、ビタミン12種類と、ミネラル5種類のみが該当する成分であり、規格基準に適合していれば許可や届出は不要です。
健康食品の利用状況
利用者の割合
内閣府消費者委員会の調査によると、日本人の4人に3人(75%)が利用経験者のようです。
ほぼ毎日利用している者とたまに利用している人を加えると、約6割の消費者が健康食品を現在利用しているそうなので、健康食品がどれだけ今皆さんの身近にあるのかが分かります。
かけているお金
健康食品への支出は、約7割の消費者が月額3,000円未満のようです。
ただし、20代・30代に関しては月額1,000 円未満と回答した人の割合が高いそうなので、そこまで健康食品に高額な金額をかけている人はいないようです。
購入先
購入先は、利用者の約6割が店舗購入、次にインターネット通販が多いとされています。
20代や30代は店舗購入の割合が高い一方、50代以上は店舗購入が約5割であるものの、インターネット通販やインターネット以外の通信販売で購入している者の割合が、他の世代よりも高いそうです。今後はよりインターネット通販での購入者が増加していくのではないでしょうか。
健康食品は本当に効くのか
今後も拡大される市場
機能性表示ができるようになったことで、次々と新商品が登場し、特に機能性表示食品の品目数は制度開始から3年足らずで1,200を突破し、特定保健用食品(トクホ)を上回ったようです。
しかし、健康食品のメーカーが取り扱う成分は青汁とコラーゲンが最も多いようですが、人気成分の大半は効果の根拠が不明と言うのはまだまだ変わらないようです。
効果を感じている割合
市場が拡大されていく反面、実際に利用者の中で健康食品の効果を明確に感じている人は、利用者全体の約10%程度にすぎないと言われているそうです。
健康や美容の為に健康食品を摂取するのは間違いではありませんが、健康食品だけに頼ろうとはせずに、日頃から規則正しい食生活や運動、そして良質な睡眠を取るように心がけていくのが良いかもしれません。
参照元:内閣府消費者委員会:消費者の「健康食品」の利用に関する実態調査