花粉症は、花粉が原因で引き起こされるアレルギー症状です。
本格的な花粉症シーズンに突入した3月。
現在の神奈川の花粉飛散状況を見ていきましょう。
今シーズンの花粉飛散予想
2月20日、気象情報会社のウェザーニューズは関東全域を含む1都14県でスギ花粉の飛散が本格化したと発表しました。
2月中旬から暖かい日が続いたため、東京は昨年より14日、平年より5日早くなりました。
神奈川県厚木市にある自然環境保全センターでは、県内のスギ林30箇所、ヒノキ林40箇所で花粉を飛散させる雄花の着花量調査を行い、スギやヒノキ花粉飛散量を予測しています。(1月25日発表)
【スギ花粉飛散量予想結果】
今シーズンの調査では、スギ林30箇所の着花点数の平均値は52.8点でした。
過去21年間の平均は44.2点、大量飛散をした昨年は過去5年で最も多い67.2点で、今シーズンは昨年に次ぎ2番目の多さになっています。
スギは夏が猛暑であると雄花の着花量は増え、結実が多いと雄花の着花量は減る傾向にあります。
昨年の夏は猛暑でしたが結実が多く、雄花の着花量は昨年よりは減少したと推定されます。
今回の調査結果から、今シーズンのスギ花粉飛散量は、多かった昨シーズンと比較すると少なく、例年よりもやや多くなると予想されます。
【ヒノキ花粉飛散量予想結果】
今シーズンの調査では、ヒノキ林40箇所の着花点数の平均値は28.1点で、昨年の80.8点を大きく下回りました。
調査開始から7年間の平均値は46.9点で、今シーズンは調査開始以来最も低くなっています。
ヒノキもスギと同様で、夏が暑いと雄花の着花量は増加、結実が多いと雄花の着花量は減少傾向になります。
昨年の夏の気象条件は着花量が多くなる条件でしたが、結実が多かった影響で雄花の着花量は少なくなったと推定されます。
今回の調査結果から今シーズンのヒノキ花粉飛散量は、昨シーズンより大きく減少し、過去7年間で最も少なくなる予想です。
今シーズンの神奈川の花粉飛散情報
花粉の飛散開始日の決め方は、ダーラム法によると1月1日以降に2日連続で1個/c㎡を上回った最初の日となっています。
神奈川県自然環境保全センターのスギ林内で観測した結果をまとめました。
スギ花粉数
日にち | 個/c㎡ |
1/1~1/5 | 1.81 |
1/6~12 | 8.0 |
1/13~19 | 6.1 |
1/20~26 | 3.6 |
1/27~2/2 | 3.3 |
2/3~9 | 80.8 |
2/10~16 | 96.4 |
2/17~23 | 3633.0 |
2/24~3/2 | 6510.4 |
ヒノキ花粉数
日にち | 個/c㎡ |
1/1~1/5 | 0.0 |
1/6~12 | 0.0 |
1/13~19 | 0.0 |
1/20~26 | 0.0 |
1/27~2/2 | 0.0 |
2/3~9 | 0.0 |
2/10~16 | 0.0 |
2/17~23 | 4.8 |
2/24~3/2 | 17.9 |
今年のスギ花粉飛散開始日は1月8日で、今シーズンは昨年の秋から暖かい日が多く、例年より早い花粉飛散開始となりました。
2月25日には4桁の飛散になっており、ピークは例年より早くなると予想されています。
ヒノキ花粉飛散開始日は2月20日でした。
スギ花粉がピークを過ぎた後にヒノキ花粉のピークが来ます。
スギ花粉のアレルギーの方の約7割がヒノキ花粉にも反応するとのデータがあるため、スギ花粉のピークが過ぎても花粉症の方は引き続き注意してください。
スギ・ヒノキ花粉が終わっても、イネ科やブタクサやヨモギ等季節ごとに様々な花粉が飛散します。
神奈川県保健福祉事務所では、花粉症に関する健康相談を随時電話などで行っています。
花粉症でない方も、何らかのきっかけで急に花粉症になる可能性がありますので、情報を集めて予防や対策に努めましょう。