インフルエンザは例年11月上旬頃から発生し始め、その後1月下旬から2月にピークを迎えた後、4月上旬頃までには流行が終息していきます。
現在、インフルエンザの患者報告数が増加に伴い、警報が発令されています。
ここでは、神奈川県での発生状況をお知らせしていきます。
神奈川県のインフルエンザ発生状況について
2018年12月3日~12月9日にインフルエンザの定点当たり報告数が流行開始の目安「1」を、12月24日~12月30日は注意報レベル「10」を超えました。
2019年1月7日~1月13日は、同報告数が全県で「36.50」となり、警報レベル「30」を越え、前シーズンと比べて1週間ほど早い発令となりました。
なお、1月28日~2月3日の定点当たりの報告数は「51.62」でした。
2018年12月31日~2019年2月3日までの神奈川県のインフルエンザの定点当たりの報告数
12/31~1/6
9.02
1/7~1/13
36.50
1/14~1/20
57.02
1/21~1/27
67.94
1/28~2/3
51.62
*インフルエンザは、県内345ヶ所のインフルエンザ定点の医療機関から毎週報告されています。
定点当たりの報告数とは、その週の報告数を報告医療期間で割った値であり、1定点医療機関当たりのインフルエンザの報告数を表しています。
*警報・注意報について
インフルエンザの注意報レベルは当該保健所における定点当たりの報告数が10以上の場合です。
警報レベルは当該保健所における定点報告数が30以上で始まり、10未満で終息します。
地域別インフルエンザ発生状況
2018年12月24日~2019年1月13日
厚木
55.38
奏野
42.70
大和
38.27
川崎市
38.00
横浜市
37.03
茅ヶ崎市
36.55
相模原市
35.89
小田原
35.80
平塚
32.09
横須賀市
30.86
鎌倉
26.30
藤沢市
26.25
三崎
22.33
足柄上
20.40
ウイルス分離・検出状況(国立感染研究所)
2018年9月~2019年1月まで
神奈川県
A/Hpqm09型 111(66.5%)
A/H3型 53(31.7%)
B型 3(1.8%)
167
全国
A/Hpqm09型 524(69.1%)
A/H3型 224(29.6%)
B型
10(1.3%)
758
インフルエンザと花粉症のダブルパンチも
スギ花粉が本格的に飛び始める時期は2月8日~11日ごろにかけてと予測されています。
過去10年の平均である「2月16日」よりも1週間ほど早まるとみられています。
このため、今年はインフルエンザの流行と花粉が飛ぶ時期が長い期間重なる恐れがあります。
鼻水が止まらず、花粉症が始まったと思って受診したらインフルエンザだった、あるいはインフルエンザを心配して受診したら花粉症だったという話もあります。
鼻づまりやだるさなど、インフルエンザと花粉症は似た症状も多く、誤った対処をしてしまう恐れがあります。
スギ花粉はこれから増え、ピークは3月上旬から4月ごろとみられていて、インフルエンザとともに警戒が必要です。
予防のために
<インフルエンザの予防のために>
・手洗いは、感染予防の基本です。
外から帰った時など、流水・石鹸でこまめに手を洗いましょう。
・インフルエンザワクチンの接種は、感染後に発症する可能性を下げる効果と、インフルエンザにかかった場合の重症化を防止する効果があると報告されています。
・乾燥を避けて、適度な湿度(50~60%)を保ちましょう。
・十分な休養とバランスのとれた栄養摂取を心がけましょう。
・人混みへの外出を控えましょう。
<他の人へうつさないために>
・せきやくしゃみが出るときはマスクをするなどの、せきエチケットを徹底しましょう。
<インフルエンザにかかったら>
・早めに医療機関を受診しましょう。
・安静にして休養をとり、十分に水分を補給しましょう。
マスクをつける、ティッシュやハンカチで口・鼻を覆うという一般的なせきエチケットに加え、とっさの対応として推奨している3つ目のエチケットが、上着の内側や袖を使って口や鼻を押さえるというものです。
せきやくしゃみを手で押さえると、その手で触ったドアノブなどにウイルスが付着し、そのドアノブなどを介して感染が拡大する可能性があると厚労省は呼びかけています。
神経質になることはありませんが、インフルエンザに限らずウイルスや菌を拡げない・持ち込まない意識を持って、予防対策が習慣化できれば、まわりへの配慮もできるのではないでしょうか。
参考文献