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薬の飲み方による危険性

【薬も過ぎれば毒となる】ということわざを聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
たとえ良いものであっても、度が過ぎればかえって害になるというたとえです。

クスリを反対から読むとリスクになると言われる通り、病気を治す性質のクスリはもう一つの性質であるリスク(=危険)も持ち合わせています。

薬は使い方を間違えれば、効果が得られないだけでなく体に悪影響を及ぼす毒になることがあります。

薬については知っているようで知らないこともたくさんあります。
薬の正しい服用について、①方法、②量、③期間、④タイミング、⑤飲み合わせの5つに分けて、基礎知識を身につけていきましょう。

薬とは?

薬は「医療用医薬品」、「要指導医薬品」、「一般用医薬品」の大きく3つに分類されます。

さらに「一般用医薬品」の場合は、第一類から第三類までの3種類に分けられます。

 

病気やケガの治療などで大切な役割を果たす「薬」。

しかし程度に差はありますが、薬は効き目(効能・効果)がある一方、副作用という「危険」も併せ持っています。

副作用とは、薬が必要なところで効果的に働くだけでなく本来の目的とは別のところで影響を与えることです。
例えば眠気やのどの渇きといった軽いものから、肝機能障害やアレルギー反応の一種であるアナフィラキシーなど様々で、重い症状では死に至ることもあります。

副作用が現れる原因はさまざまです。

くすりの性質によるもの

治療する目的と違う部位で効いてしまったり、目的以外の効果がでてしまったりすることがあります。

くすりの使い方によるもの

飲む時間、間隔、量などの間違いや他の薬、食品などとの飲みあわせで起こることがあります。

患者さんの体質と生活習慣によるもの

年齢、性別、体重、嗜好品などの影響で起こることがあります。

患者さんのその時の病状によるもの

体調がよくない時は薬の影響を受けやすいです。

正しい服用方法について

①方法

飲み薬はコップ1杯の水で飲むことが原則です。

水なしで飲んだ場合は、薬がのどや食道にひっかかり、食道炎や潰瘍を起こすこともあります。

特にカプセルはくっつきやすいので注意が必要です。
水以外のアルコール類やお茶、ジュースで飲むと、飲みものに含まれる成分との相互作用により薬の効果が変わったり、副作用を起こす場合があります。

②量

自分の判断で飲む量を増やしたり減らしたりしてはいけません。

適切な量を服用しなければ、当然ながら薬は身体に必要とされる作用を発揮できません。。
しかし適切な量以上に用いた場合は、時に蓄積され身体に好ましくない作用(副作用)が出る可能性があります。
たくさん飲めば早く治るわけではありません。
また、薬をのむ間隔があきすぎると効果が薄れ、間隔を縮めると身体に好ましくない作用がでる危険性が高くなります。
医師は患者さんのその時の症状に応じた薬の量を処方しているので、飲む量を守りましょう。

③期間

指示があった期間は服用を続けることが大切です。
治ってきたからといって、 自分の判断で服用を中止してしまうと危険なケースもあります。

 

■勝手に服用をやめてしまうと…
高血圧の患者さんの場合は、血圧が反動的に上昇してしまい、脳出血を引き起こしかねません。

潰瘍(胃潰瘍、十二指腸潰瘍など)の患者さんの場合は、まだ治りきっていない潰瘍部分から出血することがあります。

抗菌薬の場合は、生き残っていた細菌が再び増えはじめ、以前より一層重い症状になることがあります。

アレルギー性疾患などでステロイド系のくすりを使用している場合は、かえって症状が悪化することがあります。

 

用法用量どおりに薬を服用している人は全体の2〜3割と言われています。

飲みきらずに余った薬などで無駄になっている薬の総額は年間約500億円と言われています。(日本薬剤師会調べ)
また自己判断により途中で服用を中止することで、薬剤費が無駄になるだけでなく、病気が早く治らず、治療が長引くケースもあります。
薬は用量用法を守ってこそ効果を発揮するため、処方されたお薬はすべて飲みきりましょう。

④タイミング

起床時、食前、食後、食間、就寝前など、 指示された服用の時間を守りましょう。

 

<朝昼晩の食事に合わせて飲む時間の目安>

◆食前とは食事の20~30分前のことです。
・食べ物や胃酸の影響を受けたくない薬

・食欲を出す薬

・
糖尿病の薬の一部 


・吐き気止め 


・漢方薬

 

◆食間とは食事を終えてから2時間後のことです。
・刺激が少なく、空腹の状態で飲むと吸収が良い薬 


・胃の粘膜を保護するための薬

 

◆食後とは食事の20~30分後までのことです。
・食事の後は、胃の中に食べ物があるので、胃への刺激が少なくなります 。

 

◆食直前とは食事の直前のことです。(目安は、箸をもつ直前)
・食物が体に入ると同時に効果を期待したい薬

 

◆食直後とは食事の直後のことです。(目安は、食事が終わって箸をおいたらすぐ)
・胃腸障害を生じやすい薬

就寝前とは就寝30分位前のことです。
・睡眠薬や便秘の薬など

 

◆指定された時間に飲む
「○時間おきに内服」「○時に内服」といった時間を指定される場合があります。

検査前投与の場合は薬の時間を間違えて服用すると、検査ができない場合もあるので注意が必要です。

 

◆症状が出た時に飲む
「頓服薬」と呼ばれており、解熱剤や咳止めなど、その症状が出た時だけ服用する薬のことです。

⑤飲み合わせ

いっしょに飲んではいけない薬、 食べ合わせがよくない食品には注意が必要です。

1つずつ飲めば問題がない薬でも、薬どうしの飲み合わせや、薬と食品・飲料との食べ合わせによってはよくない影響が出る場合があります。
この影響を相互作用といい、注意して防がなくてはいけません。

相互作用により、副作用が出やすくなったり胃腸や肝臓の障害を起こすなど、効き目が強くなりすぎる場合があります。
また薬の効き目が弱くなることで、薬の効果が抑えられ、病気が治りにくくなる場合もあります。


<食品との組み合わせに要注意>
服用中の薬と飲み合わせの悪い食品には注意が必要です。
以下の例だけでなく、これ以外でも相互作用を引き起こすことがありますので、不安なときは医師や薬剤師に相談してください。

 

◆副作用を強めてしまう食べ合わせ
・降圧薬一部のカルシウム拮抗薬×グレープフルーツジュース
・抗結核薬×マグロ、チーズ、ワイン、バナナ
・睡眠薬×アルコール

・総合感冒薬×コーラ・コーヒーなど

◆薬の効果を弱めてしまう食べ合わせ
・ワルファリン(抗血栓薬)×納豆・青汁(ビタミンKを多く含む食材)
・抗菌薬・抗生物質×牛乳・ヨーグルト
・胃薬×炭酸飲料など

他の病院で処方された薬を服用している場合は薬剤師に伝える事は多いかと思いますが、市販薬や健康食品、サプリメントなどを利用している場合も必ず医師や薬剤師に確認をしてください。

薬は使い方を知らなかったり、間違えたりすると危険なこともあります。
正しい知識をつけて、効果的に薬を使用していきましょう。

生活向上WEBで掲載している情報は、情報伝達目的で掲載されたものであり、治療の正確性や安全性を保証するものではありません。 このHPの情報によって起こったいかなる結果に対しても一切責任は負えませんことをお断りいたします。
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