2019年の2月4日の北陸地方で春一番の便りが届いた後より最高気温が3月~4月並みの地域が多くなり、中国、四国や東海の一部で花粉の飛散開始が確認され、近畿では2月7日に飛散開始の発表がなされました。
奈良県の花粉飛散状況
2019年の奈良県の花粉飛散状況として、日本気象協会によると、スギ花粉シーズンは2月初旬~5月中旬までで、ピークは3月上旬。
ヒノキ花粉シーズンは、3月中旬~5月中旬までで、ピークは4月上旬。
奈良県の花粉飛散量は例年比(2009年~2018年)でみると、やや少なく、70%~90%となっておりますが、前シーズン比(2018年)でみると、やや多く、110%~150%となっています。
花粉飛散量は前年度の夏の気候が大きく影響を受けるため、気温が高く、日照時間が多く、雨の少ない夏になると多く飛散するという状況になります。
奈良市では、38の市町村で花粉飛散量が増えてきており、晴れて気温が高い日や、風が強く空気が乾燥している日、雨上がりの翌日などに飛散量が非常に多くなっています。
奈良県北部と南部に飛散量の差異は見られません。
林野庁の業務資料(平成24年3月31日)によると、奈良県の森林面積は284,791haで全国29位。
そのうち人工林面積は172,549haで、スギ人工林面積は97,783ha、ヒノキ人工林面積は70,283haで、スギ・ヒノキの占める割合は59%で、佐賀県の64%、高知の62%、福岡の60%に次いで多い割合になっています。
1980年より、官民挙げて花粉症対策に力を注いでおり、スギ花粉飛散抑制に関しては、無花粉スギの発見と苗の育成、植林を進めたり、花粉飛散数の予測を充実させる取り組みを行っています。
花粉症とは
アレルギー診療ガイドラインによると、花粉症は、季節性のアレルギー鼻炎と定義されており、女性に多く、20代~30代に多いです。
スギ花粉症有病率をみてみると、1995年と2005年は記録的大量飛散の年となり、中高年でも増加したようです。
鼻水、鼻詰まりの症状に合わせて、つらい症状がアレルギー性結膜炎で、睡眠障害も強くなります。
クリニックの外来においても、花粉症の症状である鼻水が止まらない、くしゃみが多い、目のかゆみなどで、来院される患者さんも多くなっています。
花粉症の治療で内服薬の中には、眠くなるお薬もあるので、日中のお仕事で車の運転をされる方は、医師に相談されるといいでしょう。
眠くならない内服薬もありますが、そうなると花粉症の症状の緩和が少ないという声も聞かれるようですが、たくさんの種類があるので、服用してみて自分に合ったものを医師と相談しながら、決めるといいでしょう。
花粉症の予防で、花粉を寄せ付けないという事では、マスクと眼鏡、帽子をかぶるなどの対応と、家に入る前に上衣を脱いで、振り払うようにしたり、洗濯物は室内で干すなど、日常生活でこまめな対応をしていくようにしましょう。