中性脂肪が高いと指摘されると、不安になり様々な事を思い浮かべるかと思います。
中性脂肪を低下させるには食生活の改善をしたり、運動を取り入れたりする必要が出てきます。
ここでは、中性脂肪の基準値の見方や考え方と、中性脂肪が高い場合にどのような対応方法があるか、紹介していきます。
中性脂肪(TG)とは?
中性脂肪(TG:トリグリセリド)とは、体内にある中性脂質、リン脂質、糖脂質、ステロイドの4種類の脂質の一種です。
中性脂肪は、砂糖などの糖質(炭水化物)、動物性脂肪を主な原料として肝臓でつくられます。
食事でこれらを多く摂りすぎると、皮下脂肪の主成分として蓄積されます。
わたし達が活動するとき、第一のエネルギー源となるのはブドウ糖ですが、不足してくると、貯蔵されていた脂肪が分解されて再び血液中に放出されてエネルギーとして使われます。
しかし、血液中の中性脂肪やコレステロールが増えすぎる(脂質異常症)と、動脈硬化の危険が高まります。
日本人の場合は、心筋梗塞の人のコレステロール値はそれほど高くなく、中性脂肪が高値を示す例が多いといわれています。
重要なのは基準値!
中性脂肪の基準値は各機関が発表している基準値に差があります。
多くは、高値に対する発表がメインになっており、下限のリスクについてはそれほど大きく発表されていません。
日本動脈硬化学会が発表する動脈硬化性疾患予防ガイドラインでは、脂質異常症のリスクを考えたときに、150㎎/dL未満を維持することが必要であるとしています。
日本人間ドック学会が発表している新たな健診の基本検査の基準範囲では、中性脂肪値の基準範囲を男性が39~198㎎/dL、女性では32~134㎎/dLとしています。
多くの医療機関や研究機関を見比べてみると、おおむね日本動脈硬化学会の発表する数値を用いているようです。
ただし下限については、30㎎/dLや50㎎/dLと、差が見られます。
というのも、中性脂肪が低くなることによるリスクは、低栄養や肝機能障害などになりますが、これらの診断は、中性脂肪の数値だけで判断するのではなく、ほかの数値とも合わせて判断されることになります。
つまり、下限の30㎎/dLや50㎎/dLといったものは目安であるということになります。
その医療機関や研究機関の目安によって、数値データが変わってくると考えられます。
中性脂肪が高い原因と対策
毎日の食事
中性脂肪が体内に蓄積してしまう原因の多くは、毎日の食事にあります。
中性脂肪を増加させるものの代表格は、炭水化物・脂質・糖質を多く含んでいる食べ物とアルコールです。
揚げ物、油もの中心の食生活であったり、炭水化物やアルコールを摂り過ぎたりすると、中性脂肪を高めることになります。
毎日晩酌している人、特にお酒の量が多い人は中性脂肪が増加しやすい傾向にあります。
厚生労働省が発表している「節度ある適度な飲酒」では1日の飲酒量として「ビール(中瓶1本500ml)」「清酒(1合180ml)」「ウイスキー・ブランデー(ダブル60ml)」「焼酎35度(1合180ml)」「ワイン(1杯120ml)」と定められています。
お酒好きな人は、水を飲みながらお酒を嗜んだり、低カロリー高たんぱくのおつまみを食べながら飲んだりするなど、工夫をして飲酒するように心がけることが大切です。
炭水化物が好きな人は、糖質が少ない玄米や雑穀を使うと糖質の摂取量が抑えられます。
最近では麺類もこんにゃくやおからを配合したタイプのものが販売されているので、麺類が食べたくなったときは置き換えてみるのも良いでしょう。
ストレスによる増加
ストレスによって直接的に中性脂肪が増加する事はありませんが、過度のストレスからの飲酒や暴飲暴食は要注意です。
睡眠は心と体をしっかりと休ませ、傷付いた部位を修復させる時間でもあります。
ストレスで眠れなくなってしまうと体のさまざまな機能が低下してしまうので、なるべく睡眠を取るように心がけましょう。
サプリメントで補完
中性脂肪を減らして健康な身体を維持するためには、栄養のバランスを考えた食事や運動習慣を身につけることが大切です。
しかしながら、バランスの良い食事を意識して食べるのは、なかなか難しいですよね。
そういった方はサプリメントで不足した栄養素を補ってみてはどうでしょうか。
1日に必要な食物繊維を野菜や海藻から毎日摂取するのは難しいですが、サプリメントを併用して、バランスの良い食事を構成すれば、忙しい時の昼食でも対応が可能です。
自分の身体に不足している栄養素が何かを考えながらサプリメントを選び、健康的な食生活を心がけてみましょう。