「中性脂肪」。
よく聞く言葉です。
「中性脂肪が高めの方に」
「中性脂肪が気になる方に」
コマーシャルやポスターでもよく目にします。
しかし、そもそも中性脂肪とはなんなのでしょうか?
中性脂肪が高いと、何のリスクがあるのでしょうか?
中性脂肪とは
中性脂肪とは、肉や魚、食用油などの食品中の脂質や、体脂肪の大部分を占める脂質です。
単に「脂肪」とも呼ばれます。
「脂肪」と言われればわかりやすいですよね。
中性脂肪は「脂肪酸」と「グリセロール」が結合してできるので、「脂肪酸」ではなくなるところからその名がついたようです。
嫌われ者の中性脂肪ですが、生物や人にとって重要なエネルギー源であり、必須脂肪酸・脂溶性ビタミンの摂取に不可欠です。
中性脂肪が高いとどうなる?
中性脂肪は必要なのですが、増えすぎると体脂肪として蓄えられていき、生活習慣病を引き起こしてしまいます。
その中で中性脂肪が直接的に原因になるのが脂質異常症です。
脂質異常症とは、血液の中に含まれる中性脂肪、あるいはコレステロールの数値が異常値となり、動脈硬化のリスクが高まっている状態。
LDLコレステロール(肝臓で作られたコレステロールを各臓器に運ぶ働きをするリボたんぱく質)、HDLコレステロール(血管内のコレステロールを肝臓に戻す働きをする)、トリグリセライド(中性脂肪)のいずれかが基準値を超えているかで判断されます。
いわゆる「血液がドロドロの状態」です。
脂質異常症は自覚症状がほとんどなく、突然心筋梗塞など、重大な症状におそわれることがあります。
中性脂肪の正常値
中性脂肪の値は、血液検査で知ることができます。
健康診断を受けた後に渡される血液検査票の「中性脂肪値」、あるいは「血清脂質」という項目の「トリグリセライド(TG)」の値が、中性脂肪をあらわす数字です。
中性脂肪値は、空腹時の採血で150mg/dLを超えると異常(高トリグリセライド血症/脂質異常症)とされています。
中性脂肪を正常に保つには
では、中性脂肪を正常に保つにはどうすればいいのでしょうか。
食べ過ぎを避ける
中性脂肪を正常に保つには、まずはなんといっても食べ過ぎを避けることです。
特に炭水化物・脂質・糖質を摂りすぎないように注意しましょう。
食べ過ぎの判断基準として、「適正体重」を基準にするのも一つの手段です。
適正体重の測り方ですが、例えば身長175cmの人がいたとします。
その人は、175に0.01をかけ、1.75とします。
その数字同士をかけ、さらに22をかけたのが適正体重と言われています。
適正体重=(身長×0.01)×(身長×0.01)×22
適正体重を測る体重計なども発売されています。
飲酒を控える
中性脂肪が増加する原因として、食事からだけではなく、肝臓で中性脂肪が合成されてしまうことがあります。
中性脂肪は、アルコール摂取量に比例して増加します。
飲酒は控えましょう。
糖質は控える
砂糖、果物、アルコール、白米などに含まれる糖質は、エネルギーとして使われなかった分は中性脂肪になります。
糖は、グリコーゲンに変えられ、肝臓に蓄えられます。
グリコーゲンとしての許容量をオーバーした分は、中性脂肪となり、血液の中を流れていったり、肝臓に蓄積されてしまいます。
糖質は控えるようにしましょう。
中性脂肪改善を考えた特定健康用食品
中性脂肪改善は飲食メーカーのテーマであり、各種の中性脂肪改善のための特定保健用食品が発売されています。
ヘルシア緑茶 うまみ贅沢仕立て | 脂肪を代謝する力を高め、体脂肪を減らすのを助けます。 |
キリン メッツコーラ | 食事から摂取した脂肪の吸収を抑え、血中中性脂肪の上昇を穏やかにします。 |
コカ・コーラ 綾鷹 特選茶 | 血中中性脂肪が高めで脂肪の多い食事を摂りがちな方、または食後の血糖値が気になり始めた方に適した飲料。 |
中性脂肪が増えにくい食事は「伝統的な日本食」?
中性脂肪が増えにくい食事は、「伝統的な日本食」と言われています。
農林水産省のホームページの「日本の伝統的食文化としての和食」によると、「和食の一番基本的な要件はご飯」ということです。
そこに、味噌汁、塩味のすまし汁、魚を素材とした潮汁(うしおじる)などが加わります。
ちなみに「汁」と「吸物」の違いは、調味料や具材によるものではなく、「ごはんと一緒にとるものが汁」で、「酒とともにとるものが吸物」ということです。
お米、汁に、漬け物がつきます。
漬け物のほとんどは塩漬けで、塩に加えて糠(ぬか)を加えた「糠漬け」は、うま味と香りが加わり、そのみずみずしい香りから「お新香」と呼ばれるようになったそうです。
ご飯、汁、漬け物ともう一つ、「お菜」が和食の条件。
お菜とは、「主食」に対する「副食」。いわゆる「おかず」のことです。
一般的には「一汁三菜」がスタンダードです。
例えば主菜がさしみ、焼き魚で、副菜が軽い料理二種というパターンです。
和食の特徴としては、魚。
特に生で魚を食べる「お刺身」が和食の特徴となっています。
- まぐろ
- かつお
- ぶり
- はまち
- カンパチ
- サンマ
- タイ
など、季節ごとに旬の食べごろがあり、栄養のある魚が伝統的に美味しく食べられてきました。
伝統的な日本食を食べると、肉類、油ものが控えめになり、中性脂肪の増加を抑えることができます。
さらに野菜のビタミン、食物繊維、お魚のカルシウム、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)が総合的に健康をサポートしてくれます。
伝統的な日本食で中性脂肪を撃退しましょう!
参考資料
武田薬品工業株式会社「お魚と中性脂肪のヒミツ」(外部リンクに飛びます)
『栄養学の基本』渡邊昌(マイナビ出版)
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