現在、日本で販売されているタバコの種類は100種類を超えていると言われていますが、時代の流れとともにタバコも変化しています。
葉っぱ型ではない、いわゆる電子タバコの普及がタバコ業界の常識を変えようとしています。
今回は、【電子タバコ】ではなく、葉っぱ型のタバコの歴史から周囲にタバコの煙がどのような影響を与えるかなど説明してきます。
タバコの歴史について
日本にタバコが伝来したのは戦国時代と言われています。
1601年に徳川家康へスペインの修道士がタバコを原料とする葉と、タバコの種子を渡したとされる内容が一番古い記録となります。
この頃の日本の喫煙はキセルが主流でした。
そして煙草は、江戸時代初期に全国へ普及しましたが、当時は【非常に高価な薬品】として扱われ、喫煙できるのは金持ちの武士か商人ぐらいでした。
火事の原因となることなどで幕府は度々禁止令を出していたほどだと言われています。
こうして最初は禁止されていた煙草ですが、幕府や藩の専売とすることで次第に許可されるようになり、江戸中期には値下げもあって喫煙の習慣は庶民にも広がっていきます。
20世紀に入り、煙草が工場で安価に大量生産されるようになると喫煙人口は爆発的に増加し、それと共に様々な健康被害が指摘されるようになります。
1900年には喫煙による肺ガンの増加が指摘され、紆余曲折を経ながら1960年代になってようやく、「喫煙は、特に肺癌や心臓血管疾患に関して健康を脅かす」という意見が主流となりました。
現在では、肺癌をはじめとする様々な癌のリスク上昇、動脈硬化による心血管疾患、肺機能の衰えによるCOPDの原因になるなど、多くの病気との関連が証明されています。
タバコの物質について
約4,000種類の化学物質がタバコの煙には含まれています。
その中には、実に200種類以上の有害物質が含まれ、発がん性物質は50種類以上にのぼります。
一酸化炭素、タール、ニコチンの3つが有害物質のなかでもよく知られている物質です。
ほかにも、めっき材料として自動車関連業界で古くか使わっれているらカドミウム、発光ダイオードに使われているヒ素、除光液やしみ抜きに使用されているアセトンなど、体に有害な物質がタバコの煙に含まれています。
喫煙による状態変化
煙草の原料はナス科の植物『タバコ』です。葉には『ニコチン』を含み、喫煙程度の少量でも脳のアセチルコリン受容体に作用しドーパミンが放出されます。
ドーパミンが出ると「快」な状態となるため、タバコを吸うと気分が良くなるのです。
しかし、ニコチン摂取を続けていくと身体が変化しニコチンがアセチルコリンを乗っ取ってしまいます。
こうなると普通の状態ではドーパミン不足となり、イライラや不安が生じて結果、ニコチン依存症に陥ってしまうのです。
このニコチン切れによるイライラを「ニコチン離脱症状」と言い、喫煙終了後30分からはじまり、おおよそ1時間程度で喫煙欲求が増大症します。
症状のピークは3日以内なのでここを乗り切れば症状は徐々に良くなります。
タバコ=肺ガンと真っ先に思い浮かべるかと思いますが、発ガン性の有害物質はニコチンにあるのではなく、代謝産物に含まれております。
ただし精神毒性はないので、煙草を吸っても切らしても精神が撹乱したりすることはありません。
タバコの煙の種類
タバコの煙には、タバコを吸う人が直接吸い込む「主流煙」と、火のついた先から立ち上る「副流煙」に分かれます。
この副流煙には、主流煙に比べてニコチンが2.8倍、タールが3.4倍、一酸化炭素が4.7倍も含まれています。
この副流煙を、自分の意思とは関係なく吸い込んでしまうことを「受動喫煙」といいます。
受動喫煙にさらされると、がんや脳卒中、心筋梗塞、呼吸器疾患などのさまざまな病気のリスクが高くなり、さらには妊婦や赤ちゃんにも悪影響を及ぼすことがわかっています。
このため、受動喫煙はもちろん【タバコ】に対する対応が近年、社会全体で取り組むべき問題として認識されています。