今年の花粉飛散量はウエザーニュースによると、東日本を中心に6年ぶりの大量飛散の年と予想されています。
近畿、九州地方は去年の1.5倍~3倍になるなど、全国的には例年並みからやや多めの予想で、山形県に関しては、前シーズン比は例年並みであるが、例年比ではやや多いと予想。
山形県を含む東北南部に2月下旬から花粉の飛散量が増え始め3月上旬には東北北部へ拡大してきており、4月上旬まで続くとみられます。
東北南部は、主にスギ花粉の飛散で、ヒノキ花粉はほとんど飛散しない模様で、平年よりも多く1.16倍~1.75倍、前年度シーズンの1.81倍~2.57倍となる予想です。
花粉症とは
花粉症はスギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって起きるアレルギー症状で国内の患者数は2,000万人程度。
花粉症の都道府県別有病率を見てみると、全国規模の疫学調査によると2008年で全国平均は26.5%で、1位は山梨県の44.5%、2位は高知県の41.2%で、3位は埼玉県と栃木県で39.6%で、山形県は25.0%の有病率です。
北海道は2.2%、沖縄は6.0%となっている。
いずれも1998年の調査より、1.2倍から2倍近く患者数が増えている。
花粉症の改善
アレルギー症状を引き起こす体内物質「ヒスタミン」を抑える薬で症状を緩和する方法が一般的だが、効果には限度があり、くしゃみや鼻水で苦しむ方は多く、既存薬で効果が不十分な重症患者さんは200万人~300万人いると推定されます。
日本経済新聞によるとスイス製薬大手のノバルティスは2019年の秋に重症の花粉症患者さん向けに「ゾレア」という医薬品を発売予定。
医者が処方し医療機関で注射(皮下注射)してもらうという形になります。
花粉症向けとしては世界で初めての「抗体医薬」で高い症状抑制の効果が期待できるようです。
発売済みの気管支喘息の薬を花粉症治療薬として改めて承認を得たものです。
成人の花粉症の重症患者さん向けで費用負担は多くのケースで月3万円前後となる予定。
また、中堅製薬会社の鳥居薬品は成人や子供にも使用可能で、花粉症の成分に順応させ自己免疫の暴走を抑制する薬で、2018年の6月に「シダキュア」という新薬の販売を開始した。
こちらは錠剤で3~5年程度服用し続ければ、服用を中止しても症状が長期間でなくなるという特徴があります。
月額4,300円程度で自己負担3割となると診療費や調剤費など含めると年間3万円以上はかかります。
アレルギー性鼻炎は生命にかかわる病気とは言えませんが、生活の質や作業効率は下がり、外出を控える傾向になり、個人消費も落ち込み、花粉症による経済損失は計り知れないものになってきています。
日本アレルギー協会によると、山形県でも3月2日に終了していますが、「第25回アレルギー週間市民公開講座 どうする!アレルギー "はなみずとかゆみ"」という勉強会が山形テレサで開かれており、参加して、知識を深めるとともに、個々の対策としては、花粉症の症状が出始めてからすぐに治療を開始すれば、少ない薬で症状を抑え込むことも可能になってきますので、早めの治療を心がけるとともに、官民挙げて、無花粉スギの植林や、治療薬の開発などが急がれます。