【症状】
検査で異常が見られないにも関わらず、全身に激しい痛みが生じることを指す。
発生率は、男性より女性が7倍と多く、一般的に中高年の女性に発生する割合が高いと言われている。
手の筋肉の痛み、指の関節痛、肩や背中の痛み、腰痛、尻の筋痛、お尻から太ももの痛み、手足の筋肉の痛み、眼の奥の痛み、 喉の筋肉の痛み、頭痛など、さまざまな痛みの症状がある。
その他に、睡眠障害、胃腸症状、うつ状態、慢性疲労症候群なども併発している場合が多い。
痛みの程度は人によって差があり、場合によっては痛みの箇所が移動することもある。
症状自体はリウマチに似ているが、関節の腫れや変化は見られないためリウマチとは異なる。
線維筋痛症は、血液検査やレントゲン検査では異常無しと診断されることも多いため、 医師側の理解不足で病院を幾つも回る内に、精神状態が悪化し、それに伴いリウマチや潰瘍性大腸炎などが併発する場合もある。
【原因】
線維筋痛症は二つに分類され、続発性線維筋痛症と原発性線維筋痛症に分けられる。
続発性線維筋痛症 感染症や甲状腺機能低下などに合併して起こると考えられている。
原発性線維筋痛症 事故や出産というような肉体的・精神的ストレスが原因となり発症した線維筋痛症で、過度のストレスや外傷などによって本来は痛みを緩和する神経系の機能が低下しているためではないかと考えられている。
【対処方法】
怪我や手術、ストレスなどがきっかけになることがあるが、いまだに決定的な治療方法はなく、痛みの緩和などの対症療法的な処置が行われている。
治療方法として、生活環境やストレスの改善も必要とされるが、規則的な筋肉トレーニングなども併用して実施し、症状を抱えつつも日常生活を送ることが出来るよう適切に管理していくことが重要とされている。
症状を軽減させるために鎮痛剤を処方することもあるが、線維筋痛症の患者の多くが痛み止めの効果を感じることは少なく、線維筋痛症の鎮痛剤として安定した効果を生み出す鎮痛剤は見つかっていない。 (無秩序な薬剤の投与は胃腸障害を招き、自覚症状を促進させる場合があるために注意が必要である)