倶楽部ワンクエスチョンとは?
65歳以上の方専用LINE公式アカウント「生活向上WEB倶楽部」の友だちを対象に、健康維持や疾患について学んだり、倶楽部友だちの皆さまの考えを共有できる1問クエスチョンの倶楽部ワンクエスチョン! 倶楽部友だちの回答結果とテーマに対する解説を公開しています!
回答結果:「COPDで見られやすい症状はどれでしょうか?」
長引く咳や息切れ、「もう年だから仕方ない」と思っていませんか? もしかしたら、その症状はCOPD(慢性閉塞性肺疾患)という病気のサインかもしれません。
あまり聞き慣れない名前かもしれませんが、ご高齢の方に多く、実はとても身近な病気の一つです。大切な肺を守るために、まずはCOPDについて正しく知ることから始めましょう。
今回の倶楽部ワンクエスチョンでは、そんなCOPDの症状として適切なものを選んでもらうクイズ形式で実施しました。他の肺疾患と勘違いしやすい症状もいくつかあるかと思います。ぜひこの機会にCOPD特有の症状を学んでみませんか?
■調査実施期間:2025年10月3日~10月9日
■調査参加者数:56名
COPDってどんな病気?
COPDは、主にタバコの煙などの有害な空気を長年吸い続けることで、気管支や肺に炎症が起き、呼吸がしにくくなる病気です。肺の機能は一度悪くなるとなかなか元に戻りにくいのが特徴で、「肺の生活習慣病」とも呼ばれています。
主な原因は喫煙で、患者さんの9割以上が喫煙者です。ご自身が吸わなくても、周りの人のタバコの煙(受動喫煙)を吸い続けることでも発症のリスクが高まります。
倶楽部ワンクエスチョンの正解:COPDの症状
今回の倶楽部ワンクエスチョンでは、COPDの症状として、下記の症状の中から適切な症状をお選びいただきました。
1.日常動作(坂道や階段を上る等)で息切れが起きる
2.夜間や早朝に症状が悪化する
3.チアノーゼが出る(酸素不足により唇や爪が紫色になる)
4.喘鳴が起こりやすい
5.血痰(けったん)がでる
6.空咳(乾性咳嗽)が続く
7.慢性の咳や痰が続く(湿性咳嗽)
8.喉に痰が絡みやすい
これらの中で、COPDの症状としてよく見られるのは「1. 日常動作で息切れが起きる」「7. 慢性の咳や痰が続く」「8. 喉に痰が絡みやすい」の3つ、そしてCOPDが悪化した際に「3. チアノーゼが出る」が見られます。
◎ COPDで見られる症状
1. 日常動作(坂道や階段を上る等)で息切れが起きる
→COPDの最も代表的な症状です。「同年代の人と同じペースで歩けない」「以前は平気だった坂道や階段がつらくなった」と感じる方は注意が必要です。
7. 慢性の咳や痰が続く / 8. 喉に痰が絡みやすい
→風邪でもないのに、年単位で咳や痰が続くのも特徴です。「タバコを吸う人のいつもの咳」などと見過ごされがちですが、大切なサインです。
3. チアノーゼが出る
→COPDがかなり進行した場合に見られる症状です。体の中の酸素が不足しているサインですので、すぐに医師に相談してください。
△ 間違いやすい・注意が必要な症状
2. 夜間や早朝に症状が悪化する / 4. 喘鳴が起こりやすい
→これらはCOPDでも見られることがありますが、どちらかといえば喘息(ぜんそく)でより典型的な症状です。
6. 空咳が続く
→COPDの咳は痰が絡む「湿った咳」が多いのが特徴です。
5. 血痰(けったん)がでる
→血痰はCOPDの典型的な症状ではありません。 肺がんなど他の病気の可能性も考えられますので、すぐに医療機関を受診してください。
安心して治療を続けましょう
「年のせい」と諦めていた症状も、COPDという病気が原因かもしれません。 COPDの治療は、失われた肺の機能を完全に取り戻すことは難しいですが、症状を和らげ、病気の進行を抑えることは十分に可能です。
主な治療法
・禁煙: 治療の基本であり、最も重要です。
・薬物療法: 気管支を広げて呼吸を楽にする吸入薬などが中心です。
・呼吸リハビリテーション: 呼吸が楽になる方法や、体力をつけるための運動を行います。
適切な治療を受け、生活習慣を見直すことで、症状とうまく付き合いながら、自分らしい生活を続けることができます。息切れが改善されれば、散歩や趣味など、これまで諦めていたことにも再び挑戦できるかもしれません。
大切なのは、早期発見と治療の継続です。気になる症状があれば、ぜひ一度、かかりつけ医や呼吸器内科にご相談ください。
【参考情報】
・公益財団法人 長寿科学振興財団「健康長寿ネット」
・独立行政法人 環境再生保全機構「ぜんそく・COPDのホームページ」