【症状】
3~4歳以後になっても、夜間睡眠を取っている時に尿が漏れてしまうことを指す。
赤ちゃんのときから継続しているものを一次性夜尿症と呼び、一度排尿機構が完成した後、
しばらくしてから起きるものを二次性夜尿症と呼ぶ。
夜尿症は6歳で約10人に1人、14歳で50人に1人発生するといわれているが、
夜尿症の多くは思春期の頃までに自然に治るとされている。
【原因】
夜尿症の原因は、一次性夜尿症と二次性夜尿症の二種類に分類される。
一次性夜尿症の場合は、発育が進むにつれて自然に治ることが多く、
尿をする際の神経発達の遅れが原因ではないかと考えられている。
二次性夜尿症の原因は、排尿のしつけの強要、環境の変化、脊髄下部の障害、
泌尿器の問題、包茎、精神発育の遅延などが考えられている。
その他に、夜間の尿の量を制御する上で重要とされる、抗利尿ホルモンの夜間分泌の不足なども、
原因の1つではないかと考えられている。
子どもの場合は、明らかな膀胱の異常により症状が引き起こされる場合もまれにある。
成人でも夜尿症になる場合があり、この場合は膀胱の異常収縮が原因で、切迫性尿失禁を合併している場合が多い。
【対処方法】
治療法や対策には、「生活指導」「薬物治療」「行動療法」の3つがある。
通常は成長と共に改善されるので、自然に治るのを待つのが一番良いとされているが、
専門医の指導を受けることで改善する場合もある。
その他の対処方法としては
・一度夜間に起こして排尿させる
・睡眠時に放尿するとアラームが作動する機械を用いる
・よごした寝具を自分で片付け
・洗濯させることにより改善意識を醸成する
・布団はできるだけあたたかくして眠る
・失敗しても極力しからず、成功したときにほめるよう心がける
・昼間は水分を多く取りできるだけ排尿を我慢して膀胱容量を増加させる (夜間の膀胱機能は子どもの成長とともに発達し、夜間は昼間の1回の尿量の1.5~2.0倍は我慢できるようになり、一般的には4~5歳になると夜間トイレに一度も行かなくてもよい位の尿をためられるようになると言われている)
・夕食後の水分補給を極力制限する
・薬物治療により治癒する (ただし薬物治療の場合は投与をやめると再発する恐れ有り)
などがあげられる。